面屋(おもてや):能面師、如水(じょすい)の世界面屋(おもてや):能面師、如水(じょすい)の世界

能楽とは

能楽日本最古の芸能である能楽は14世紀に世阿弥によって完成されたといわれています。
能、能楽は舞と歌を基本とする一種の楽劇です。能は人生ありのままの写実ではなく、極めて象徴化された演技、芸術です。
能楽の基本理念は世阿弥が強く唱えている「幽玄」であり、この21世紀の現在においても確実に息づき観客を魅了しています。

面の動かし方

能楽は「幽玄の美」を追求する600年以上の長い歴史の中で、決まった型が出来上がり、曲によって舞いも決まっています。
面の動かし方もかなり詳しく規定され、演技の進行につれ様々に変化する一曲の主人公の内面の感情を一つの固定した能面で表現しようとするわけです。
面の動かし方には大きく分けて、上下の運動と左右の運動があります。 上下の運動は、能面の鼻柱の線を前後にうつむけたりあお向けたりします。

動かし方の例

クモラス うつむけることを「クモラス」といい、全面にかげりが多くなりますから、表情としては憂いをおびます。
当惑の気持ちや恥ずかしさを表したり、手を目に差し出せば、泣いている様子を表します。
正面 能面を通して、能楽の決められた型の中に「幽玄」を、「こころ」を 観て下さい。
テラス あお向けることを「テラス」といい、かげりは消えて明るい表情になります。
扇を胸の前で大きく動かして喜びを表現したり、緩やかに左右へ動かし、観客に風景を感じさせたりします。
面を強く左右に打ち振るように動かして、激しい感情の変化を表現しようとしたりもします。